[続編] なぜ今「性能向上リノベーション」なのか?(メリット編)
こんにちは、富士市のアスカ工務店、遠藤です。
前回のブログでは、建築資材や工事費の高騰により、新築住宅の価格が非常に上がっている、というお話を書きました。
(※前回の記事はこちら:[新築は高すぎて買えない…と諦める前に。富士市で考える「性能向上リノベーション」という賢い選択肢])
私たちアスカ工務店は、富士市でこれから家を持ち、新しい生活をスタートさせるご家族を全力で応援してきました。一件一件ご希望をお伺いし、土地探しから家づくりまで伴走するのが私たちのスタイルです。

しかし、正直に申し上げて、昨今の急激なコスト高騰の中で、お客様が将来にわたって資金的に安定して暮らしていける「無理のない新築」をご提案することは、本当に難しくなってきました。
そこで今、私たちが新築に代わる有力な選択肢として力を入れているのが、**「性能向上リノベーション」**です。
「性能向上リノベーション」とは?
「性能向上リノベーション」とは、簡単に言えば、中古住宅を「新築同様」か、場合によっては「新築以上に」高性能にする工事のことです。

具体的には、
- 現状検査: 家の状態をプロが徹底的に調査します。
- 性能計算: 耐震計算や断熱計算(UA値など)を行います。
- 改修工事: 計算に基づき、耐震補強、断熱改修、間取り変更などを行います。
これにより、見た目が新しくなるのはもちろん、**「耐震性」「断熱性」「耐久性」**といった住宅の基本性能を劇的に向上させ、これから何十年も安心・安全・快適に暮らせる家へと再生させます。
知っておくべきメリットとデメリット
前回お伝えした通り、この「性能向上リノベーション」には、大きなメリットがある一方で、知っておくべきデメリット(注意点)もあります。
今回は、まず皆様が一番知りたい**「3つの大きなメリット」**について、詳しく解説します。
メリット1:新築の7〜8割のコストで「新築同様」の性能が手に入る
最大のメリットは、やはり**「コスト」**です。

性能向上リノベーションは、中古住宅をベースにするため、新築よりも総費用を抑えられるケースがほとんどです。
▼なぜ安くなるのか?
理由は、家の中で最も高額な部分である**「基礎(コンクリート)」と「躯体(土台・柱・梁)」**を再利用できるからです。これらの構造部分をゼロから作る費用が省けるため、大きなコストダウンにつながります。
▼費用目安
工事内容にもよりますが、新築工事費用の7割〜8割で、新築同等以上の性能(耐震性、断熱性)と、もちろん新築同様の美しい内外装を実現することが可能です。
仮に新築で3,000万円かかる家だとしたら、その8割の2,400万円程度で、性能もデザインも妥協しない、安心・安全で快適な住まいが手に入るイメージです。
【アスカ工務店のこだわり】
ただし、これには**「大前提」**があります。

それは、再利用する基礎と躯体が健全であることです。
- 基礎に鉄筋が適切に入っているか?強度は十分か?
- 躯体(木造部)は雨漏りで腐っていないか?
- シロアリの被害はないか?
私たちは、工事前にこれらの点を徹底的に調査・診断します。この**「事前のしっかりした検査」**こそが、リノベーションの成功を左右する最も重要なポイントです。
メリット2:「住みたかった場所」に住める可能性が広がる
新築を建てる場合、土地は「分譲地」や「売りに出ている空き地」から選ぶしかありません。
しかし、「子どもを実家の近くの学区に通わせたい」「駅や職場に近いこのエリアがいい」と思っても、都合よく土地が空いているとは限りません。
その点、リノベーションは**「中古住宅」が対象です。
今、日本全国で「空き家」が増えていることは社会問題にもなっていますが、これは見方を変えれば、「住みたいエリアに、家を持てるチャンスが増えている」**とも言えます。
もし、ご自身が住みたかった理想の場所に、手頃な中古住宅(空き家)があれば、それを購入してリノベーションするという選択肢が生まれるのです。
【アスカ工務店の強み】
もちろん、中古住宅の購入には専門的な知識が必要です。
「土地の法律(再建築不可など)は大丈夫か?」「近隣の環境は?」「価格は適正か?」など、多くのハードルがあります。
当社は不動産免許も保有しており、富士市・富士宮市の地元の不動産業者とも緊密に提携しています。
土地・物件探しから、法律的なチェック、リノベーションの設計・施工まで、ワンストップでサポートできるのが私たちの強みです。
メリット3:耐震性を確保しつつ、間取りやデザインを「自分好み」にできる
「中古住宅」と聞くと、間取りが古くさかったり、変更が効かなかったりするイメージはありませんか?
性能向上リノベーションは、その心配も解決します。
▼構造計算に基づき、自由な間取り変更が可能
もちろん、家の構造(特に耐震性)を無視した無茶な変更はできません。
しかし、どこを残し、どこを補強すれば安全かを専門家が「耐震計算」した上でなら、既存の間取りを住む方の希望に合わせて大胆に変更することが可能です。
- 「暗い北側の台所を、明るい南側のリビングと一体化させたい」
- 「使わない和室をなくして、夫婦のウォークインクローゼットにしたい」
- 「子ども部屋を2つに分けたい」
ご家族の構成やライフスタイルに合わせた「住みやすい家」を、素材、デザイン、カラーまで含めてオーダーメイドで実現できる。これも新築に負けない大きな魅力です。
【アスカ工務店の技術】
当社は耐震診断・耐震計算も自社で行えます。

中古住宅の現状を正確に把握し、「この家の耐震性を確保するためには、この柱は抜けない」「ここを補強すれば、この壁は取れる」といった専門的な判断に基づき、お客様の「こうしたい!」というご希望を最大限かなえるプランをご提案します。
まとめ
確かに、日本では「家=新築」という考え方が主流だったため、中古住宅を再生することに抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、アメリカでは家づくりの90%が中古住宅のリノベーションだとも聞きます。
建材も人件費も高騰し続ける今、「性能向上リノベーション」は、無理なローンに縛られず、ご家族が豊かに暮らしていくための、非常に現実的で賢い家づくりの一つだと、私たちは確信しています。
次回は、皆さんが知っておくべき「デメリット(注意点)」と、その具体的な対策について、正直にお話ししようと思います。
富士市で家づくりにお悩みの方は、選択肢の一つとして、ぜひアスカ工務店にご相談ください。