富士市伝法の家2工事風景
富士市伝法の家性の向上リノベーション2
工事の内容
富士市伝法性能向上リノベーションの家です。
工事に先立ち大事なのは家全体の状況の把握です。
この下見は既存住宅状況調査(インスペクション)といって家の間取りや現状はもちろん床下や屋根裏などを確認することによって家の構造の劣化、外壁の状態、シロアリ被害、雨漏り
等がないかのなどの確認をします。
今回の性能向上リノベーション工事へのお施主様の希望は、基本は耐震性能と断熱性能の向上。
1階を主に日頃の生活空間とし、2階は収納とたまにいらっしゃるお子さんたちの泊りの場とします。
1階部分は基本フルリノベーションとします。
断熱工事に関しては家全体だとかなり工事費が上がってしまうので、リビングダインイング、キッチン、浴室、トイレ寝室など部屋ごとの個別暖房としたいという事でした。
まずは家の現状の様子を確認しました。
外観です。
昭和の家にありがちな和風の家です。南面は広い掃き出し窓が付いています。
南面に大窓を付け風通しを重視しています。
玄関部分です。
こちらも大きめの引違ドア。明るさはありますが、防犯上、断熱性などに難点があります。
6畳ほどの居間です。
ここでかつてご家族は冬などはコタツに入り一家団欒、楽しい会話をされていたと思います。
キッチンです。
8畳ほどの広さにキッチンセットがありダイニングテーブルがあります。
食事された後は先程の居間にご家族で移動ですね。
今回の工事ではキッチン、ダイニングは既存の和室に移動しこちらの部屋は奥様の寝室になる予定です。
ここは応接間。
私の実家もありましたが、昭和の家にはお客様が来た場合、応接間に通し接待しました。
今は物置になっていましたが。
和室です。
この部屋もよく昭和時代にあった6帖と8帖の続き間の和室。
お盆やお正月などはここで、ご家族でくつろがれたと思います。
お客様を泊める場所でもありますね。
トイレ、洗面所、お風呂です。
現状の家は昭和らしい、でも当時のこだわりがある家のですね。
続いて床下部分ですね。
何年か前に白蟻検査消毒はやられたそうです。
土台や柱に目立った白蟻の被害はなさそうです。
屋根裏部分です。
かなり古いですが雨漏りの形跡がありました。
この部分は工事中に屋根から検査し部分補修とする予定です。
ただ、一番気になったのは天井部分に断熱材がなく無断熱だったこと。
壁は壊さないと確認できませんが。
今回の工事では家の間取りと使い方も変えました。
既存の間取り
変更後の間取り
部分断熱エリア計画図
赤い線の部分が断熱エリアです。
LDKや寝室など長い時間ご家族がいるであろう箇所を主に断熱します。
洗面脱衣室や浴室、トイレを断熱エリアに入れたのはヒートショック予防です。
既存の壁を剥がして、今入っている昭和の建築工事時の断熱材を高断熱の物に入れ替えます。
床断熱
壁天井断熱
個別断熱はお部屋を断熱材ですっぽり囲みます。
1階部分の天井部分も断熱材を充填します。
寒暖差が緩和されすごしやすい空間になると思います。
この家の耐震診断と耐震計画は
耐震診断では倒壊する可能性が高いという評点が0.4という数字でした。
耐震基準の評点の基準は1.0になります。1.0以上あれば基本的には倒壊しないとなります。
その為耐震計画では工事後の評点1.0以上の1.05まで上げることにしました。
耐震工事は耐震計画で算出した箇所を筋交いや構造用合板で補強をします。
家の耐震性能を上げる為には、既存の壁を剥がして、地震に強い耐力壁を設置し耐震強度を上げます。
そしてこの耐震補強工事には条件が付きますが富士市の補助金が出ます。
条件とはまずは家が昭和56年6月以前に確認申請を取得している事。
要は建築基準法の旧耐震の家である事になります。
お施主様もこれから高齢になり第3世代に入ります。
まずは前項で書いたように断熱改修によるお部屋の快適さと耐震改修による安心、安全な生活、
そして、これからの生活に合った家の間取りなど、これらの項目を目標に今回の性能向上リノベーション工事
を完成させました。