こんにちはアスカ工務店 遠藤です。
今日は、慶応義塾大学の伊香賀俊治教授が監修してくれた、寒い家が人の
健康に与える良くない影響を書いた「幸齢住宅読本」の話を書こうと思います。
「寝室の温度次第で、眠りが深くなりトイレの回数も減る」
加齢とともに寝付きが悪くなり、途中でも目が覚めて、そのたびにトイレに行く。
ぐっすり眠れず、睡眠に不安を覚える人が多くなるのも事実です。
研究から加齢とともに睡眠リズムが浅く、小刻になりがちだと言うことは
分かっていますが、そのような本来の生態変化だけでなく、寝室の温度や湿度
だけで、よけい寝苦くしくなることを誰もが経験済みではないでしょうか。
実際に、寝室の温度は何度ぐらいから睡眠の質に違いが出る分岐点になるのでしょうか?
石川県のA町280世帯を調べたところ、「暖かい家」の寝室の平均温度は13.8℃「寒い家」は
7.7℃で寒い家の人は2.2倍寝付きが悪く、中途覚醒する率が2.3倍高かったそうです。
問題は、この調査対象世帯の75%は「寒い家」に住んでいたこと。
おそらくこの街が特別などではなく、日本の一戸建て家屋の9割はWHOが勧告している
「冬季室温18℃以上」に達していないと言われていますから、意識して断熱性能を
備えた家でなければみんな寝付きの悪い家に住み、睡眠の質を落しているのかも
しれません。
しおも就寝前の温度が、18℃以上ある寝室で眠りにつく人に比べて、12℃未満の人は
夜間頻尿リスクが1.4倍高いこと判明。
寝室の寒さとトイレの回数はおそらく密接な関係があり、きちんと暖かい部屋で
寝つき、その温度が長く保たれる家なら、湯中のトイレの悩みも減ることが実証された
わけです。
日本の高齢者の多くが、夜中のトイレの悩みを訴えています。
ここでも、住まいの断熱性能が、鍵になることを再度痛感させられます。
今回も寒い家と人、特に高齢者のお部屋の温度環境についての重要なお話でした。
これから寒い夏、家の断熱改修は必須ですね。